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定岡さん
「よし。ついたぞお前達。ここが地獄だ」
「パパしゅきー」
「じごきゅパパしゅきー」
「あら懐かしい匂い。ウフフ」
「まああれだ。水色以外は初めてだな。さて、ピアスを外して探そう。ギックリ悪魔と性病悪魔を」
一歩踏み出したところで地面が陥没した。
「だああ?!大丈夫か三つ子達?!」
空中に浮遊した勘解由小路の足元には、広大な穴が広がり、穴の下は血の池が、赤い水を湛えていた。
「ハデス全開で助かったぞ。ジタバタしない石榴。紫!どこに行く?!」
「しっこー」
「オムツ履いてるのにもうオムツ離れかかーわーいーいー!あれ?水色はどこ行っーーおおおおおおおい!」
真っ逆さまに落ちていった水色を、勘解由小路は何とか受け止めた。
「危ないだろうが!俺の可愛い娘っ子!怪我してないかー?怪我しても父ちゃんが一瞬で治しちゃうよー?何を見てーーああいた」
勘解由小路が放ったロープは、そいつを一瞬で釣り上げた。
そいつは鼻から大量の血水を吐き出し、クルクルと回っていた。
釣った魚みたいだな。勘解由小路は思った。
背中には、木札がくくりつけられていた。
木札には、払底悪魔と書かれていた。
「お前を探してたんだ。定岡さん」
血の池に嵌まっていたのは、いと高き反逆者、明けの明星、ルシファーだった。
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