定岡さん

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 おい。大丈夫か短小悪魔。 「サダサダちっちゃい」 「ダサオちっちゃいのー」 「多分死んでる。ウフフ」 「誰が短小だあああああああああああああああああ!!離せ俺様を誰と心得る?!斧を持ち飾り帯を纏う最強の王ルシファー様だぞ?!俺様を下ろせ!さもなくば」 「さもなくば何だ?定岡の分際で。飾り帯とか赤ん坊が解る訳あるか」 「一人違うのがいるだろう?!うばああああああああああああ?!バンジーはやめろ!やめてえええええええええええ?!やめてくださいよう!」  地面に放り捨てられた明けの明星の姿があった。 「とりあえずあれだな。何をした定岡さん」 「お前に対する方策を考えていたのだ!のべつまくなしに嫁と子作りしてる忌々しいハデスの馬鹿を!道玄坂の館を綺麗にしとけと言われて放り出されたので地獄炉を作ろうとしたにゅ!にゅやあああああああ!邪魔だ三つ子共!俺様の顔に纏わりつくなあああああああああ!俺様の冠を見ろ!これが王の証なんだぞおおおおおう!にゅや!ふにゅううううううう?!」  明けの明星ルシファーの口を引っ張り回す赤ん坊達の姿があった。 「ああその冠か。どう思う定岡さん?」 「何なんだこれは?!覇帝の冠だ。押し入れにしまっとけなどと言うから!俺様にふさわしいと思い被ったら!背中の札は何だああああああああああ?!何が払底悪魔だ?!」 「こないだのミカボシ騒動の後、フルボッコにされた後(ベリル)の奴がお前の首に提げてた札だ。可愛い坊主が作ったものは落書きだって大事にとっておく。それが父ちゃんの喜びだ」 「これを被った瞬間、全然力が出せなくなったんだぞ!大体、冠のトップの間抜けな顔は何だ?!俺様ならコーイヌールとかそのグレードのダイヤで然るべきだろうが!」  コーイヌールと言うのは、手にした者を悉く死に誘う、いわく付きの呪いのダイヤだった。 「うん?それか。確か前に紙粘土で作った梨花製の正男だ。ちょうどいいから飾りに使った」 「あっという間に地獄に引きずり込まれたんだぞ!背中には札が!外せんのだこれが!」 「実を言うとな、他の僕にも使ってる封印だそれは。外せるはずないだろうが。自由にさせるとロクなことをせんからな。お前は。それともあれだ。あと残ってるのはひょっとこしかないがそっちの方がよかったか?」 「何が覇帝だあああああああああああ?!」 「言い間違えた。払底の冠だ。よかったな払底」 「ふってーい。ふってええええええい!」  三つ子が声を揃えて言った。 「もう許さんぞハデス!俺様の怒りを!憎しみを受けろ!」 「そう怒るなよ短小。実はな。俺は今運に見放されているんだ。俺を中心にアンラッキーなオーラみたいなのが出ててな。最近一緒にいた三田村さんと音群さん、三つ子の世話を任せていた三田橋さんにも不運がふりかかっている。お前が地獄をメタメタにした所為で僕達はバラバラだ。俺はあいつ等に近づけんのだ。これ以上シャックスを不幸にはさせられん。ちょうどよかった俺の代わりにあいつ等を集めてこいよ。俺は今たった一人なんだ。冠外してやるから」  ふ、ふふふふふ、ふははははははははははは!  ルシファーは高笑った。 「だったらお前が滅べええええええええええええええ!ハデスの馬鹿があああああああああああああああ!!」  ルシファーは勘解由小路に襲いかかった。  30秒後。 「やめてえええええええええ!ぐっばああああああああああ!引き上げてえええええ!あばあああああああああああ!」  血の池に沈められた。 「パパー。しっこー」 「むらさきもー」 「しょうがないな。その辺でしなさい」 「うん!」 「パパー見てー。じょー」 「あらあら、石榴ちゃんも紫ちゃんも可愛いわ。ウフフ」 「俺様の目の前でするなって!小便混じりの血の池があああああああ!ぐばああああああああああああ!!」  ロープを上げたり下ろしたりする度に、逆さに吊られたルシファーは悲鳴を上げた。
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