第一話 社長秘書の「娘」

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第一話 社長秘書の「娘」

 「げんきになるおまじない」  ポケットから一つのキャンディを取り出し、君は笑った。  随分前の記憶なのに今でもそれを覚えているのは、その言葉と君がくれたキャンディが、確かに「おまじない」になったからだ。  甘酸っぱいキャンディを舐めるとイチゴの味がした。  だから今、君に会えない今。キャンディを舐めながら君を思い出す。  勇気をくれた君に、また会えるように。
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