異質

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隣の席の君の趣味は掃除。 いつも掃除をしている。 学校ではその事でちょっとした有名人だ。右手には雑巾。左手にははたきを持ち、マスクをしている。 君の顔をまだ見たことがない。 休憩時間になったらどこかの掃除をしている。 棚、窓、壁、机、床。 おかげで隣の席の僕の周辺はいつも綺麗で、ハウスダストが極度にだめな僕は陰ながら感謝している。 何故、陰ながらなのかというと、君は誰とも話さないから。 耳が聞こえなくて声が出せないからとかではない。 連絡事項など必要な事は話している。 お喋りはしないのだ。 他人と関わるのが嫌いなのか分からないが半年間隣の席の僕は君の事を何も知らない。掃除が好き。それだけしか知らない。 そんなある日、バス停で君と会った。 帰り道とかではない。 今日は休日の真昼間。友人のお見舞いに来た帰り、人通りは少ない。 この辺は田舎じみていて、用があるとすると僕のように誰かの見舞いに来たか、それとも近所か。 マスクはしているもののいつもと雰囲気の違う君に緊張と、今までの好奇心が爆発して僕は初めて君に話しかけた。 「こんにちは。誰かのお見舞い?」
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