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「そんなことだろうと思ってましたわ。この仕事をしていると、上辺だけで語ってる人の話はよく分かりますもの。あ、もちろん記事には致しませんわ」
シルビアはさして驚きもしない様子で、納得顔をした。
本日のエラー荷物のチェックを終えたジョンが戻ってきた。
「おい、コウ。この惑星ホープって、あそこだよな。ほら、最近ようやく基地の建設が始まったっていう」
「ああ、そうだ。あそこは作業員しかまだ居ないはずなんだがな。もう荷物が届いてるのか」
「どうやらそうみたいだな。あそこには惑星郵便局どころか、荷受け拠点すらまだないだろ。さすがにオートデリバリーは無理だろうな」
新たな惑星の基地建設では、資材などの輸送は宇宙郵便局を通さない独自のルートを通じて行われるのが通例だ。となると、この荷物は個人的な案件ということになる。
「よし、今日は惑星ホープに直接届けに行ってみよう。あ、シルビアさん。良かったら一緒に来ます? 半日ぐらいで行けると思うんで」
「まあ。それは願ったり叶ったりですわ。是非同行させてください」
今日の目的地は新惑星ホープに決まった。そこではどんな物語が待ち受けているのだろうか。私は期待を胸に膨らませた。
(完)
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