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軽く雑談を交わしたあと、私はシルビアを仕分け室に案内した。
「ワームホールを通って届けられた郵便物は、ここですべて仕分けされます。完全オートシステムでロボットたちがすべての業務を行なっているので、人間は監視してるだけなんですがね」
人類が宇宙に進出してから始まった宇宙時代。宇宙暦300年頃、ある探査船が初めてワームホールを発見した。ワームホールとは遠く離れた宇宙空間を一瞬にして結ぶ特異的な穴のようなものだ。
以降、ワームホールをあちらこちらで大量に発見するようになって、人類の活動領域は一挙に広がった。多数の惑星に入植を果たして、それぞれの惑星で文明を築き上げていった人類。
ワームホールを使った人の移動は頻繁に行われたが、それとともに惑星間の荷物の輸送も活発になる。荷物輸送の大半はAIを搭載した配達ボットが担うようになっていたが、ワームホールを越えた先の活動まではオートにするには無理があった。
そこでワームホール近くに必ず宇宙郵便局を設置し、区域内の荷物をそこに集約してからワームホールを通して、抜けた先の宇宙郵便局に一括して送るというシステムが出来上がったわけだ。
「なるほど。見事な働きぶりですね」
大量の荷物を驚くべきスピードで捌くロボットを見ても驚く様子はない。今どき、どこでもこの程度の作業はやっているから当然ともいえる。
「仕分けたあとは?」
「配達ボットによって区域内の惑星に自動配達されます。各惑星にはそれぞれ惑星郵便局があるので、そこにまとめて配達するわけです。そこから先は惑星郵便局の仕事になりますね」
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