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「ちなみにこの郵便局の管轄ってどのぐらいの範囲になるんですか?」
「だいたい半径30光年ほどの球状の範囲内ですね。各配達ボットはだいたい1ヶ月ほどで担当惑星をいくつか回って帰還出来るように、担当範囲を割り当てています。ワープ航法を繰り返してもそれが限界ですね」
「配達先が固定されているから、オートですべて出来るんですね」
「その通りです。そこに人間が絡む余地はありません」
別にこの効率的なシステムを私が考えたわけではないが、私は少々胸を張って答えた。
「でもあなたのやっている仕事はそこから漏れていると?」
核心をついた質問だ。やはり今日の取材のメインはそこのようだ。この仕事をしていなければ、私などただのぼんくらサラリーマンに過ぎなく、取材する価値などないだろう。
「そうですね。いくらオートで仕分けできるとは言っても、宛先が不明だったり、不審な内容物があったりすると、エラー郵便物としてまとめて廃棄行きになってしまいます。エラーのものまで面倒見切れないってことですね」
「それをあなたがフォローしてるというわけですか」
「ええ、まあ。差出郵便局のほうに問い合わせしたりね。でも連絡をとるにしても何かと時間がかかるので、直接配達したほうが早いと判断したら、実際に私と同僚のジョンが配達に出向くわけです」
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