悪魔との出会い
それは、夏休み前の試験休み中の出来事だった。
突然、学校に呼び出された私は──
「えぇっ!? 転校!?」
校長室で、思わず叫んでいた。
私の通う桂蘭学園女子高等学校は、
期末試験が終わると採点期間に入り、試験休みになる。
赤点がなければ呼び出しもないし、
部活も停止。校内立ち入り禁止。
つまり──完全オフ。
「私立高校最高ーっ!」
そう言って、私はこの休みを満喫していた。
……はずだったのに。
「お姉ちゃん! 学校から電話!」
一階から母の声が飛んできた。
はあ?
学校から?
しかも家の電話に?
普通、連絡は母のスマホに来る。
家電にかかってくるなんて──ただ事じゃない。
嫌な予感がして、ベッドから飛び起きる。
受話器を取ると、
「江波さん? 緊急事態です。大至急、学校に来てください」
担任の岡崎先生の声だった。
それだけ言って、電話は切れた。
……え?
なにそれ。
意味わかんないんだけど。
心臓が、嫌な音を立てる。
急いで制服に着替えながら、母に叫ぶ。
「ごめん! 呼び出された! 行ってくる!」
「ちょっと、何があったの!?」
「分かんない!」
自転車に飛び乗り、駅まで全力で走る。
風が顔に当たる。
なのに、嫌な予感だけが消えない。
──そして。
私は、このあと出会う。
私の人生を、めちゃくちゃにする男に。
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