カトルカール

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「え? カトルカール専門なの?」  私が一番話についていっていない。 「いいのよー。これから始めて、すみれさんの作りたい物を作ってくれれば」  でも、あれやこれやと手を出すより、不器用な私には専門店の方が合っている気がする。 「うん。中に混ぜたりするものでバリエーションを増やせばいいから。専門店でいいと思う」 「じゃあ、決まりね!」  4人で握手をする。 「ねえ、ところでまだ一口も食べてないんだけど」  由美子さんがコケティッシュに、おねだりする。 「それもそうね」  切り分けて食べてみる。口の中に甘い香りが広がった。 「美味しい!」 「当たり前じゃないの。これから売り物にするんだから」    1/4が4つで1。  けれど、1どころじゃなく、100にも10000にもなると知るのだけど、それはまた別のお話である。  完
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