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「そういえば、噂に聞いたんだけど。」
「うん。」
「転入生が来るんだって。」
「転入生?」
始業式から二週間経っての転入生って珍しいよね。
不思議に思った私に夏穂ちゃんも頷く。
ん?
待って?
「夏穂ちゃん、それは誰の情報なの?」
コテンと首を傾ける私に夏穂ちゃんは苦笑いをする。
「和樹よ。宿題忘れたらしく放課後先生に呼ばれたの。自業自得よね。全く二卵性双生児だから仕方ないとしてもね。」
チラッと夏穂ちゃんは私を何故か見る。
「……………好きな人に恥ずかしくないのかしら。和樹は。」
「え?和樹君彼女いるの?」
初耳!!
おめでとうだね!!
予想外の言葉に、興奮を抑えきれない私を見ていた夏穂ちゃんは、何故か深い溜息をついている。
「…………………鈍感も珍しいよね。」
「何か言った?夏穂ちゃん。」
「…………………可哀想な和樹。」
不思議そうに見る私を見て、またもや溜息をついた。
なんで夏穂ちゃんはさっきから溜息をつくんだろう。
うーん。
わからない。
終始悩んでいる私を見て、夏穂ちゃんは深い溜息をついた。
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