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挨拶をされた長身の男性は、ニコッと爽やかに笑う。
その途端に歓声に近い悲鳴が聞こえてきた。
ここは何処でしょう。
確か、学校ですよね?なんて思いながら周りを見る。
瞳にハートマークを映して男性教員を見る女子生徒達。
中には私を睨む人もいるけれど。
先生からしたら生徒は論外でしょう。
下手したらロリコン。
なんとか条例に引っかかるのでは。
「相変わらず朝から賑やかですね。」
なんて嫌味を言ってみる。
「相変わらず手厳しいな、水無月さんは。」
ハハハっと笑うけど、余裕綽々な笑みに若干だけどイラッとする。
一生徒と話だけをしているのに、周りからは冷たい視線が刺さってくる。
″……………………いいよね、美人は。何をしても目を惹くんだから。私達なんて声を掛けるのがやっとなのに。″
ボソッと誰かが呟く声が聞こえてくる。
朝から騒いでいたのに、やっとなんですか?なんて心の中で呟いてみる。
「そういえば、朝、他校の生徒に色目ついていたわよね、水無月さん?」
刺々しい言葉に気づいた私は挑発する人を見る。
長身の男性の近くにいた女子生徒も、睨むように私を見ていた。
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