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またか、と小さく溜息をついた。
朝のはたまたまだったんだけど。
あれは別の人からみたら色目を使っているに入るんだね。
つくづく、この顔なんて大嫌い。
「あれは、結衣が色目を使っているんじゃなくて。」
反論をしようとした夏穂ちゃんの言葉を遮ったのは意外な人だった。
「まあまあ。色目を使っている、使っていないはどちらでもいいじゃないかな?ただ、僕は挨拶をしたまで。朝の爽やかな時に喧嘩は相応しくないな。」
わざとらしい溜息をついて、その場にいた女子生徒を見る。
「す、すみませんでした。」
注意をされた?女子生徒は顔を真っ赤にさせて俯く。
アンタが悪いんだからと私を見てはいたけど。
それに気がついていたものの、広瀬先生はポンと手を叩いた。
「さあ、ホームルームも始まるみたいだし、急ごうかな?」
その言葉に、周りにいた女子生徒は、はっと気づき慌てて校舎へと走っていった。
「………………広瀬先生。私はお礼は言いません。夏穂ちゃん、行こう?」
「ゆ、結衣。」
歩き出した私の後を、夏穂ちゃんは慌てて頭を下げると追ってくる。
そんな私達の姿を見てふっと小さく笑っていたのは知らない。
【転入生であるアイツは上手く出来るのかねぇ?下手したら、あの方から怒られるかもしれないけど。】
まあ、お手並み拝見だよな。
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