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【この娘だろうか。あの方が欲しがっている例の女の子とは。】
怯えている女の子をちらりと見つつ、ふむと顎に手を添えて考えている。
【年齢的に考えれば当てはまるが、なにしろ情報が無い。アイツのおかげでな!クソッ、忌々しい奴だ。しかし、関わっているとは驚いたが。まあ、いい。おい、そこの女!!】
ふと、倒れて怯えている女の子に呼びかけた。
「……………………な、なんでしょうか?お願いします、助けてください。お金ならありますから。」
ガタカタと身体を震わせながら懇願する女の子を見ては顔を顰める。
【チっ。】
その様子を見て、忌々しく舌打ちをする。
【まあ、怯えるのも仕方がないか。まだ目醒める前かもしれないしな。それとも段階か。】
再び顎に手を添えて考えていた。
「な、なんなのよ。まだ目醒める前とかって、いったい何の話をしているの?」
完全にパニックになっている女の子は、恐怖から
声を荒げてしまう。
【はぁ、これだから女は。仕方がない。あの方に確認してもらうのが一番早いな。お嬢さん、悪いけど連れて行くから。あ!拒否権はないからな、残念だけど。】
ニィーと唇を横に広げるようにして微笑む。
【な、なんの話?ストーカー?ねぇ、犯罪なの。わかっている?それに、あの男って誰なの?】
ゆっくり、確実に近づく者に、女の子は抵抗の為に喚くように叫ぶ。
【本当に煩い生き物だな、女って。まあ、食事としては大歓迎だが。なにしろ、あの方から傷を作るな、絶対に手を出してはいけないとの命令があるから残念だな。せっかく極上のものがあるのになぁ。】
女の子をみながらぺろりと舌を舐めわした。
見惚れてしまう妖艶な雰囲気に、女の子唖然としてしまった。
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