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【櫻井瑠花視点】
更衣室って何処も一緒なのね。
何個も並べてあるコインロッカーのような入れ物が沢山ある。
その中へ制服を脱いで、体操着に着替えるのね。
お昼時間に上條さんだっけ?
彼女から飲んだ血は甘かったわ。
他の二人も甘かったけど。
傷が残らないのが私のやり方。
水無月さんの飲みたかったのに邪魔をするなんて、あの男はどういうつもり。
それと、私の保護者を名乗る、あの男がいる事はわかってはいたけど、現れるとは思わなかったし、あんな派手な登場で、アイツラにバレたらどう責任を取るつもりかしら。
相変わらず、苦手な男。
でも。あの男にも弱みはあるのよね。
コツコツと足音を鳴らして鏡がある所まで歩いた。
黒髪の毛を両手を使いながら払い除ける。
すると、黒髪のオカッパから、銀色のウェーブヘアーに変わった
とても、緩いウェーブヘアーは足首までの長さ。
鏡に映る瞳は真紅に染まっていた。
「私はね、どうしても連れていきたいの。本来なら、もっと早くするべきだったのに。あの男が封印なんてするから、もう時間は無いし、動き出している輩もいる。封印を解かないなら私からするわよ?」
鏡に映らない相手へ、挑発的に唇を歪ませた。
全ての始まりは遥か昔、あなたが始めた事でもあるの。
さあ、結衣。
″Il est temps de se réveil
(そろそろ覚醒める頃よ。)
鏡を見た櫻井さんが、小さくほくそ笑んでいた。
【櫻井瑠花視点おわり】
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