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五時間目も終わり、いつもなら六時間目もあるらしんだけど、最近続いている変な事件で職員室の緊急会議になったらしい。
なんやかんやで、あっという間にホームルームも終わった。
「ね、結衣、食べに行こう。」
にこにこと夏穂ちゃんが歩いてくる。
「櫻井さんは?」
「見てわかるでしょ。ほら。」
呆れたようにとある場所へ顔を向けた。
なるほどね。
夏穂ちゃんの向けへ視線を送る。
上條さんと、取り巻きの二人が、早速櫻井さんに近づいていた。
「どうせ、ご自慢の家でホームパーティーかなんかよね。私達は誘われないから帰ろう。」
「うん。そうだね、嘉穂ちゃん。」
私達の後ろでは騒がしい声が聞こえてくる。
そんな中、櫻井さんが私を見ているとは気づかなかった。
「和樹ーーー!帰ろうよ。」
男子生徒達でお喋りをしている所へ夏穂ちゃんが呼びかける。
「悪い!!急な用事が出来たから先に帰ってくれ。」
頼む、夏穂!!と両手を合わせて頭を軽く下げていた。
「わかったわ。じゃあ、お母さんに帰りが遅くなるって伝えるね。」
「サンキュ、夏穂!結衣、明日な。」
にこにこと手をふる和樹君は、何故か側にいた男子生徒達から羽交い締めにされている。
「大丈夫かな?助けなくて。」
その様子を見た私がポツリと呟いた。
「大丈夫よ、ほっとこう。単なる悪ふざけでしょ?いつもの事よ。」
「うん。」
気にはなったものの、鞄を握り締めて夏穂ちゃんと一緒に教室を出る事にした。
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