【Casual everyday〜何気ない日常〜】

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その何気ない行動に、前から歩いてきた制服姿の男子生徒が顔を赤くさせる。 一目惚れをしたようで身体が固まっている。 それに気づいた私は心の中で小さく溜息をついた。 このように見られるのは慣れている。 ………………小さい時から。 しかし、困った。 こういう時って、どういう態度をすればいいんだろう。 全く知らない人だけど、今の世の中怖いし。 だからといって、変に好意を見せるような思わせぶりな態度もね。 どっちがいいんだろう。 仕方がない。 再び心の中で小さく溜息をついた。 私を見る男子生徒へにこりと微笑む。 好意は無いけれど、睨むよりはいいよね。 すると茹でダコのように、ますます顔を赤くさせて、男子生徒はいそいそと足の歩くスピードを早めて去ってしまった。 通りすがりにチラッと見てはいたけど。 「結衣、見たわよ━━━━━━。」 後ろから元気な声が聞こえてくる。 顔を引き攣らせて、後ろを振り返る。 「夏穂ちゃん、おはよう」 ショートヘアーの似合う可愛らしい女の子が立っている。 明るい太陽のような笑顔をする女の子は、にやにやと笑みを浮かべながら私へと歩いてきた。 可愛らしい顔に似合わないような笑顔だ。
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