怜 ち ゃ ん 。

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――――――ある夜。 椿から、 電話がかかってきた。 『あ、もしもし 怜ちゃん? こんばんは!』 「ん、椿、こんばんは。 どうしたの?」 『うん、あのね、 お礼が言いたくて 電話したんだけど・・・ 今、忙しかったり しない・・・?』 「全然大丈夫だよ。 お礼??何のかな?」 『リップのお礼! あのね、怜ちゃんから もらったリップ、 夏祭りでつけてみたの。 それで・・・・・』 「・・・・それで?」 『やっ、ううんっ、 えっと、 衛くんがね、いつもと 違うね、って! ・・・・うん!』 「そっか。 衛くん、 誉めてくれたんだ?」 『そうなの。 他にもその、勇気・・・ をもらえたというか、』 「ん?」 『気にしないで! なんでもない! 怜ちゃん、ありがとう!』 「ふふっ。椿の役に 立てたのなら良かった。」 『ふふふっ。 怜ちゃん今何してるの?』 「んー、ちょっとだけ 飲んでる。」 『あっ、お酒? あ、なんだかごめんね、 せっかくくつろいでる ときに電話しちゃって、』 「椿ならいいよ。 椿の電話は嬉しいから。 それに暇だったし。」 『そうなの? 良かった、怜ちゃん、 ちゃんとお休みする 時間があって・・・・・。 あ!ね、前雑誌で見たよ、 怜ちゃんのメイク! 凄く綺麗な女優さんの メイクをしてたよね。 えーっと、名前が 出てこない、 ほら、前の大河ドラマで 主演をやってて、 今は月9のすっごく 人気のドラマでヒロイン やってる人、』 「本城 斐祢かな? (ほんじょう あやね)」 『そう! すっごく綺麗だったよ。』 「ほんと?良かった。 彼女、注文が多くて 大変だったよ。」 『もう、怜ちゃんったら。 でも、怜ちゃんって 本当にすごい。 みんな綺麗にしちゃう んだもの。 まるで魔法使いみたい。 それに優しいし、 お料理も上手だし、 おしゃれさんだし、 こんなに完璧な人、 そうそういないと思う、』 「それは買い被りすぎだって。 もしかしたら椿の知らない ところで、悪の組織に入って 悪いコトしてるのかもよ?」 『なぁにそれ、変なの! あ、お母さんが 呼んでるっ。 怜ちゃん、ごめんね、 電話を切るね。 リップ、本当に ありがとう。』 「どういたしまして。 おやすみ、椿。」 『おやすみなさい。』
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