怜 ち ゃ ん 。

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「ん、 う、 ねぇ、怜、」 「んー、なぁに?」 「私だけの、専属の メイクになってよ、 私、怜にメイクされてから、 他のメイクさんだと、 なんか納得がいかないの、 怜じゃなきゃダメ、 ね、お願い。 っ、」 「その話なら、 前断ったでしょ? 恋人になってって 話と一緒に。 仕事も恋愛も、 誰かの専属には ならない。」 「あ、 待って、怜っ、」 「斐祢さん、 綺麗だね。」 皺になるシーツ、 抗えずに、 眉を寄せる美しい顔、 溢れる、吐息。 斐祢さんの胸が上下する。 「怜、 っ、 他の女優や、モデルも、 そんな風に断ってるの?」 「ベッドで他の女の ことなんて気にしなくて いいよ。 今、俺が抱いてるのは 斐祢さんだけ。 俺は、斐祢さんのもの。」 「でも、 ベッドから出たら、 そうじゃないんでしょ、 ひぁっ、」 しなる、カラダ。 乱れる艶やかな髪。 斐祢さんは、 息を整えながら、 こちらを見上げた。 「ほんとに、ずるいわ、 怜。 そういうところが、 たまらないけど。」 「大女優にお褒めに あずかり光栄です。」 君が、 知らなくてもイイこと。 (Fin.)
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