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「小久保ー。遊ぶのは構わないけどさ、社内はやめておけよ。どっかの誰かみたいに職場の人間関係引っ掻き回すなよな」 「本当だよ。村瀬さんもすごいよねー。堂々と『セフレ』とか『できちゃった結婚』とかさー」 「動物なんだろ? 理性が働かねぇんだよ」  ゲラゲラ笑う施工の連中。 「……俺は本気っすよ。まぁ、実際セフレだったから何言われても仕方ないっすけどね」  パソコンの画面を見たまま薄く笑って返す。 「本気で遊んでたんだろ? わかったよ」 「あの……俺はいいんすけど、村瀬にはそういうこと言わないでもらえますか? アイツは悪くないんで……」  尚も蔑むように笑われたが、ことさら真面目に頼んだ。 「うわー、こんな状況でも村瀬庇うんだな。うぜぇ」 「村瀬さん、小久保さんのこと本気じゃなさそうですよ? 遊ばれてるのは小久保さんなんじゃないんですか?」 「そりゃそうだろ。同時進行でもいいとか言ってるくらいだし。小久保もいい加減、目覚せよ。まぁ、もう手遅れだけどな」 (はぁ……何とでも言えよ。くだらねぇ)  どうでもいい。それよりも俺にはアイツの言葉の方がダメージが大きかった。未だに村瀬の考えていることがわからない。
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