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 俺に対して少しでも気持ちがあるということがうれしかったのに……もう、離れていってしまうかもしれないということが。  ここ数日、どうするか思い悩んでいたけど、今井さんに話を聞いてもらって気持ちは固まった。やっぱりアイツと話をするしかない。いい加減……もうそろそろ、逃げてもいられない。 (絶対怒ってるよな……あー、マジで気が重い)  あれ以来、仕事のやり取りは普通だけど、それ以外は一切話をしていなかった。怒っているのがひしひしと伝わってくる。  残業時間になり少し経つと、いつものようにアイツが帰り支度を始めていた。 「おつかれさまでーす」  いつも通りの挨拶をしてフロアを出て行く村瀬を慌てて追いかける。 「村瀬、ちょっといい? 話がしたいんだけど」 「なに? なんの話?」  不機嫌そうに素っ気なく返された。 「わかってるだろ? 一度きちんと話そうぜ」 「……わかった」  しぶしぶ了承した村瀬といつものホテルに向かう。  部屋に入り、しばらく沈黙が流れた。 「悪かった。俺が余計なこと言ったせいで、こんなことになって。でも、俺は職場に迷惑をかけるようなやり方したくなかったんだよ。オマエともきちんとしたかったし。……できちゃった結婚って、マジなのか?」
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