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「言ったよね？ 子供できたら籍入れようって、前にも」
「オマエの言ってること、わかんねぇよ……。そもそも、俺のことどー思ってんの？ いい加減言ってくれよ。オマエの口から」
「……」
村瀬は答えない。思わずため息が漏れた。
（やっぱり言わないか……まぁ、やめるわーって言われないだけマシだな）
「先に結婚しないし、子供ができなかったら結婚しないんだろ？」
「しない」
「……それがわからねぇんだよ。オマエ、俺の子供産むって気持ちしかねぇんだよな？ 子供がいなきゃ、俺との人生考えてくれねぇのかよ……」
つい、思っていたことが口に出てしまった。
「それはアンタでしょ？ アンタは子供がほしいんだよね。その相手が私って思ってるだけで。それに、子供がほしいって気持ち知っちゃったら、もう無理だよ。仮に子供ができなくてもいーから先に結婚しようなんて言われても……無理」
（あぁ、本心だ……）
今井さんが言うように村瀬の態度や声色で本心かどうかわかる。
「オマエ、気持ち変わらないんだな？ 子供作って、できたら籍入れるって」
「……変わらないよ」
静かに言う村瀬。
「子供できたら、これから先の人生ずっと俺の側にいてくれるんだな？」
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