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「とりあえず、話はできたんっすけど……現状維持っすね。特に何も変わらないっす。まぁ、やめるわーって言われなかっただけ安心してますけど。一応、彼氏と彼女って体裁も整えたし」
この間より明るく話す小久保に、少し安心した。
「ふーん、よかったね。彼女の気持ち確認できたの? 前言ってたじゃん、好きとか愛してるとか言われたことないって」
「いや……やっぱ言わなかったっすね。わからないままってか、まぁ、わかるんっすけど……言いたくないんっすよ、きっと」
(琴音ちゃんの前では言うのに、なんで小久保には言わないんだ?)
「じゃー、相変わらずできちゃった結婚の方向でいくの? キミが遠くに異動になったら彼女どうするんだろうね……そういう話した?」
「あ……確かに。時期的にそろそろっすもんね。……やべぇ、頭になかった」
焦ったように呟く小久保。
「キミ……本当に彼女ときちんと話したの?」
「だから、前にも言ったじゃないっすか。アイツから本当の気持ち聞ける気がしないって……。子供できてからじゃないと結婚は無理っていうのだけはよくわかりましたけど」
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