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「酒飲まないとか……お前マジで小久保と子供作る気なの?」 「へぇー、ちゃんとその辺は気をつけてるんだな」 「うわ、小久保が嬉しそうな顔してるし……なんなんだよー。どーなってんだ、お前ら」 「嬉しそうな顔なんてしてないじゃないっすか。集中してるんっすからやめてくださいよ」  不満そうな小久保の言葉を無視して「もー、行きますよ。私、下に降りてますからね。ここにいるとロクなことなさそうなんで」と身支度を始めた村瀬さん。 「わかったー。……ほら、琴音ちゃんも支度して」 「え? 本気ですか?」 「うん、本気。村瀬さんと2人だけで行くわけにはいかないでしょ? 付き合って。お願い」 「もう、仕方ないですね」  帰り支度を整え、3人で会社を後にした。  隣の駅に移動し、駅前のカフェに入る。 「ごめんねー、急に」 「本当ですよ。なんなんですか? どうせ小久保になんか頼まれたんですよね。なにも話しませんよ」  適当に謝る俺に面倒くさそうにオレンジジュースを飲む村瀬さん。 「いや、何も頼まれてない。ってか逆にアイツとちょっとやり合ったから……情けない男だよねー。やめておいた方がいいんじゃない? 小久保くん」  半分本気で言いコーヒーを飲む。
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