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「え? 小久保とやり合ったって……なんでですか? まさか暴力振るわれてませんよね? 小久保、すぐ殴りそうだから」  心配そうにカフェラテを飲んで俺の顔を見ている彼女。 「大丈夫だよ。小久保くん、そんなヤツじゃないし。ね? 村瀬さん」 「さあ? 知りませんよ。アイツのことなんて」 「それなのに、子供産んであげるの? よく知りもしない男の子供を? ……そんなことないでしょ?」  小さく笑って村瀬さんを見る。 「八重田さん、今井さんに何か話したの? 私がこの前お昼に話したこととか」 「あ、少し……。小久保のこと好きだって言ってたことと、1人でも責任持って育てるって言ってたから軽い気持ちなんかじゃないってことを話しました。ごめんなさい」 「まぁ、いいよ。小久保に言わないでってしか言わなかったし……飛鳥さんにも言ったんでしょ?」 「いえ、飛鳥さんには何も話してません」  申し訳なさそうな彼女とあまり気にしていない様子の村瀬さんのやり取りを黙って聞いていた。 「なんでそんなに小久保くんに気持ち知られたくないの? 他の人には気持ち言えるのに、なんで小久保くんには言えないの? ……言わないのかな」
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