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「……今井さんみたいな人、苦手なんですよね。そーやって入り込もうとしてくる人。何も話しませんよ」
（あぁ、なるほどな。だから小久保は……）
「ふーん、俺は別に嫌われてもいいし、ただ知りたいだけだから。キミと同じでさー、推理したり探ったりするの好きなんだよね。キミはすごーく興味深い」
「趣味悪いですね……。で？ 何を知りたいんですか？」
開き直ったように薄く笑う村瀬さん。
「さっき聞いたことだよ。小久保くんに気持ちを言いたくない理由。当然、小久保くんに聞かれてるよね『俺のことどう思ってるの？』って。それに対してなんで答えてあげないの？」
「答えて何になるんですか？ そんな言葉……。言われたところで信用できないし、言ったところで薄っぺらいじゃないですか。気持ちなんて変わるものなのに」
「ふーん。じゃーキミにとって信用できるものってなに？」
「体だけですよ。その時の気持ちよさだけあればいい。心なんてどうせ目に見えないんだし、いくらでもウソつけますから」
失笑してオレンジジュースを飲んだ。
「今言ったこともウソなんだよね。体だけなんだったら小久保くんの子供産もうとは思わないでしょ？ ……小久保くんの気持ちが変わることが怖いの？」
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