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「だろうねー。情けない男……じゃないか……キミのこと本気で好きだから。自分がどんな思いしてもキミのこと引き留めておきたいから。どんな手段使ってでもキミの側にいたいから。キミのこと愛——」 「もう、いーですよ。わかりましたから、やめてください」  俺の言葉を途中で遮って止める。 「キミさー……いいや。俺が言うことでもないし。小久保くんが遠くに異動になったらどうするつもりなの? キミがビル内で異動になったりさ」 「小久保が来てほしいって言えば行きますよ。ビル内の異動も小久保が異動にならないで済むんだったらするし……まぁ、辞めるかもしれませんけどね」 (なんだよ。結構好きなんじゃねぇかよ。素直じゃないな)  小久保の言っていたことがまたしてもよくわかる。 「ふーん。それでも、できちゃった結婚は譲れないわけね。……そりゃそうだな。子供3人以上って……そんなの聞いたら無理だよ。小久保くんには釘刺しといたから。そんな簡単にできると思うなって」 「あー、なんかありがとうございます。アイツ2年おきに産めばイケるって言ってたんで……」 「2年おきに産む? すげぇ計算……琴音ちゃん、俺と結婚してよかったね」  横で黙って聞いていた彼女に話を振った。
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