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「ん? あ、あー、そうですね」 「八重田さん、完全に休んでたでしょ。もう帰ろうか。疲れたでしょ? こんな話ばっかり」 「いえ、ちゃんと聞いてましたよ。……なんか、村瀬さんが心配になっちゃって。大きな闇を……お抱えの……ご様子なので」  彼女と村瀬さんのやり取りに思わず笑う。 「闇をお抱えなの? 村瀬さん。大丈夫だよね?」 「大丈夫ですよ。ちょっと……思い出しただけ。それにやっぱり気持ちを交わすのはやめようと改めて思ったとこだし」  ケラケラと明るく笑う村瀬さん。 「あー、俺、余計なことしたかなー。小久保くんに悪いことしたかも……まあ、いいよね。アイツがちゃんと向き合わないのが悪いってことで。ね? 村瀬さん」 「今井さん、本当に性格悪いですね。もう誘わないでくださいよ。話しませんからね」  そんな言葉を最後に村瀬さんと別れた。 「琴音ちゃん、ありがとね。付き合ってくれて」 「いえ。……なんか圧倒されちゃいました。涼吾さん、やっぱりすごいですよね。私の時もそうだったけど、容赦ない追究が……」  思わず笑う。 「そーだね。琴音ちゃんにもやったことあるね、何度か。ウソつかれると燃えちゃうんだよねー。切り崩したくなっちゃう」
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