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(アイツ、大丈夫か?)  スマホを取り出し村瀬の番号に掛けてみる。 『お掛けになった電話番号は現在使われておりません』 「は⁉︎」 「なんだよ、うるさいな。急にデカい声出したらビックリするだろ」 「あ、すみません。……あの、村瀬の番号知ってます?」 「え? 村瀬? 知らないけど……小久保、まさか番号知らないの? Rainは?」 「知らないっすよ」 「は? 彼女なのに?」  驚きの声が上がった。でもその通りだ。彼女なのに知らない。 「班長、村瀬の番号知ってます?」 「村瀬? あー、……あった。090——」  番号を読み上げた班長。 「それ、俺が知ってるのと同じっすね。その番号、かからないんっすよ」 「は? マジで?」  驚いたようにタップして電話を掛けている。 「……ホントだ。繋がんないな」 (アイツ、番号変わっても俺に教えないのかよ) 「誰か村瀬の番号知ってる人います?」  立ち上がって大きめの声でフロア内に聞いた。みんな顔を見合わせ、一様に知らないと言う。 「八重田、オマエ知らない?」 「え……ごめん。知らない」  申し訳なさそうに答えた。 「飛鳥さん、知りませんか?」 「俺もその番号しか知らないんだよね。番号変わってたんだ」
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