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(マジかよ……誰も知らねぇの? 連絡できねぇじゃん。大丈夫かよ……アイツ) 「あ! 三井ー。村瀬の番号知らね?」  総務の三井と仲がいいことを思い出す。 「三井『さん』ね。私の方が歳上なんだし。……知ってるよー。ってかムラっち2台持ってるんだよ。プライベートの番号は080だし。090の方は何年か前に解約したって言ってたけど」 「は⁉︎ ……2台? 解約? その番号教えろよ。プライベートの方」 「ダメ! 勝手に教えたらムラっちに怒られちゃうじゃん。それに態度がおかしいよね」 「……プライベートの番号に掛けてもらえませんか。三井さん、お願いします」 「よろしい」  満足そうにスマホを取り出し村瀬のプライベート用の番号に掛けている様子。 「うーん。出ないね。……具合悪くて寝てるんじゃない? それか病院に行ってるか」 「その番号、教えてくれよ。……じゃなくて、教えてください。それか、会社の電話から掛けてください。番号残ってれば会社に折り返しくるかもしれないので、お願いします」 「アンタ必死だね。そんなにムラっちのこと大事ならムラっちとちゃんとしなよ。……わかった、会社の電話から掛けてあげる」  そう言ってデスクにある電話機から村瀬の番号に掛ける三井。
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