07

9/18
前へ
/799ページ
次へ
「……何で俺の番号知らねぇんだよ! 聞けよ! ってか前、教えたよな? ……まぁ、いいや。体調どうなんだよ。大丈夫なのか?」 「うん。たぶん。病院も行ってきたし」 「熱は? 下がったのか?」 「いや、わかんない。うち、体温計ないんだよね。まだ熱ある気がするけど」 「オマエさー……もういいや。住所教えろ。オマエんち行くから。番号って今表示されてるヤツでいーんだよな? 俺の番号も今から言うから」 「え! 嫌だよ。来ないで。そーゆーことやめてって言ったよね」 「うるせぇよ。黙って住所教えろ! ……仕事終わったら行くから」  いつものやり取りが始まってしまった。 「だから、いーって。来てどうするの?」 「いーから! とにかく教えろよ! ……頼むよ、ユリ。……マジで、オマエのこと心配なんだって」 「もー、わかったよ! えーっと——」  しぶしぶ住所を言う村瀬。 「……うん。……ってか、オマエこれ、ウソついてねぇだろうな。もしウソだったらただじゃおかねぇけど」 「本当だよ。ウソつくような元気もないって。結構マジで具合悪いんだよね。……もう、切ってもいい?」
/799ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5612人が本棚に入れています
本棚に追加