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「なに? そんなに笑うことないでしょ。アンタ、食べたら帰りなね。明日も仕事でしょ? 早く帰って早く寝な。私も食べたらシャワー浴びて寝るから」  不満そうに素っ気なく言われた。 「そうだな。ってか、熱測れよ。まだ結構ありそうだぞ?」  頬が赤いし、近くに寄るとどことなく熱を感じる気がする。 「……やば。38度7分だって。死ぬ」 「マジで大丈夫かよ。シャワー浴びんの? 倒れるなよ? ……俺、オマエが寝る時帰るわ。帰ってもなんか、心配で落ちつかねぇし」 「えー? アンタって意外と心配性だね。じゃー、もうシャワー浴びよ」  面倒くさそうに言って服を脱ぎ出した。 「オマエが危なっかしいからだろ? ってかここで脱ぐのかよ」 「あ、いつものクセで……。子供じゃないんだから、大丈夫だよ。誰かさんみたいに、か弱い女の子じゃあるまいし」  フッと笑って浴室に行く村瀬。  シャワーを浴びている間にテーブルの上を片付ける。ソファーにある掛け布団をベッドに戻そうとすると、クマのぬいぐるみが転がった。 (抱いて寝てたのか……? 可愛いとこあるじゃねぇか)  自然と口元が緩む。ベッドに掛け布団を持ってくると、枕元にも大小様々なクマのぬいぐるみがあった。
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