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 村瀬さんがこちらに振り向き、小久保を見て不満そうにそう言った。気がつくと、今井さんと夏目さんは私の横のミーティング用の広いデスクに戻っている。 「だってよー、やっぱ言っといた方がいいだろ?」  小久保が困ったように村瀬さんを見た。 (ん? え? まさか!) 「いーじゃん。まだどうなるかわかんないんだし」 「そーゆー問題か? 急に辞めますなんてことになったら迷惑かかるだろ?」 「あと何ヶ月かはそうならないから、大丈夫だよ」  小久保と村瀬さんが言い合いになっている。 「え! ちょっと、ちょっとごめんね。……村瀬さんと小久保くん……付き合ってるの?」  飛鳥さんが止めた。誰もが同じ疑問を持ったはず。 「付き合ってません。セフレです」  村瀬さんの強めの一言。 「「「セフレ⁉︎」」」  フロア内から一斉に驚きの声が上がる。 (セフレ? え? えぇ?)
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