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(なにアイツ……)
少し苛ついたけど、思わず顔が綻ぶ。ベッドから出てキッチンに向かい、言われた通り昼食にまたおかゆを食べた。
(飽きたなー。おかゆ。でもやっぱり消化に良いもの食べないとダメだよね)
『ゆりちゃんの好きなお肉入りのおうどん作ったよ。食べよう?』
遠い記憶が蘇る。
(はぁー……)
ため息が漏れた。
それからも寝たり起きたりを繰り返し、だいぶよくなった。その日の夜、まだ早めの時間。
「あ、俺。夜メシまだだろ? もうオマエんちに着くから」
その後すぐに小久保が来た。
「え? こんな早く仕事終わったの?」
「おぅ。俺が本気出せばな。キッチン使うぞ」
サラッと言って手を洗い、長ネギを切りだす。
「いつも本気出せば早く帰れるんじゃん? ってかアンタ料理なんて出来るの?」
驚いた。そんなイメージ全然ない。
「いつも本気だったら疲れるだろ? ……料理ってほどでもねぇよ。切って煮るだけしかできねぇし……座って待ってろよ」
言われた通り、座って待つ。
「おかゆばっかじゃ飽きると思って。ほら、うどん食えよ。……俺も腹減ったから食おう」
小さい鍋ごとテーブルに持ってきた。
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