5614人が本棚に入れています
本棚に追加
小さく笑って話すとサラッと言い返してくる。
「……大好きでもさ、死ぬんだよ。私の元からいなくなるの。ユリのこと大事だよー、大好きだよーって言ってたってみんないなくなるんだよ」
ため息まじりに薄く笑い、うどんを見つめた。
「……とりあえず、食えば?」
素っ気なく言う小久保。
(そうだよね。こんな話、興味ないよね……なにやってんだろ、私)
今井さんが「重そうだしこれ以上は聞かない」と言ったことを思い出す。気を取り直してうどんを口に入れた。
「味、違うだろ? ばあちゃんのと」
「違うに決まってるじゃん」
「俺はばあちゃんと違うよ。さすがに死なないって約束はできねぇし、この先どうなるかわかんねぇけど……死ぬまで側にいてやるよ」
静かに言ってうどんを食べる小久保。
「なに言ってるの? だから、信じないって言ってんの。そんなこといくらでも言えるんだよ! 気持ちは変わるし、上っ面だけの言葉なんていらないよ!」
「信じられないならそれでいい。そもそもオマエに期待なんてしてねぇよ。いくら信じろって言ったって無理なもんは無理だろ。まぁ俺はそれでもオマエの言葉が欲しいと思ってるけど」
最初のコメントを投稿しよう!