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 でも、やっぱり気にしないことにする。私の勘違いなんだから。  クリスマスが近づくある日。 「なぁ、村瀬。あさって、どう?」 「あさって? ……イブだよ?」 「あぁ、わかってる。無理ならいいよ」 「別にいいけど」  そんなやり取りを交わし、クリスマスイブ、いつものホテルに行く。 「オマエ、予定ないのかよ。クリスマスイブなのに」  蔑むように笑いながら服を脱ぐ小久保。 「ないよ。だいたい体だけの関係の女とイブに過ごすなんて、みんな虚しくてさすがに誘わないんじゃない? アンタ、虚しくないの?」  聞きながら私も服を脱ぐ。 「あ、オマエ。俺が脱がせるんだから、待ってろよ。楽しみ取るな。下着はまだ脱ぐなよ? ……虚しくなんかないけどな。こんないい女とクリスマスイブ過ごせてラッキーじゃん。ホント、体だけは女らしい、いい体してるよ」 「え? 脱いでおいた方が手間省けるでしょ? ……体だけは女らしいって、なにそれ。どっかの誰かみたいにフワフワ揺れるスカート履こうか?」  フッと笑いベッドの上に座る私に近づき、下着姿をじっと見ている。
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