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「悪かったって。そんなに怒るなよ」  本当は怒っていない。でも、さんざん好き勝手されて面白くないのは事実。あんなに乱され、甘く蕩けさせられた。……気持ちも持っていかれた。  嫌だ……あとで辛くなるから。気持ちを持ち込んだ行為は、嫌。  シャワーを浴びに行く。  着替えて戻ると、下着だけ履いた小久保がベッドに腰掛けていた。 「なぁ……これ、やるよ」  静かに発した言葉と共に、ラッピングされた小さな箱を差し出される。 「ん? なにそれ」 「いーから、受け取れって。……オマエ、八重田のネックレス羨ましそうにしてたから……ほら」  視線を外し尚も私に箱を差し出している。 (あ……クリスマスプレゼント? ……バカじゃないの?) 「別に羨ましくなんかない。……アンタさー、渡す相手間違えてんじゃない? いらないよ、そんなの」  薄く笑いながらそう言って荷物をまとめた。 「……そーだよな。オマエどうせ、他の男からも貰ってんだろうし。俺からのなんていらねぇーよな……もう行くんだろ? 気を付けろよ」  卑下するように笑い、私を見つめる。 (なに、その顔。……傷ついたような顔しないでよ)  小久保の手にあるラッピングされた小さな箱を手に取った。
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