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「しょーがないから受け取ってあげる。……今日したことも、これでなかったことにしてあげるよ。だから、そんな顔しないで。……そーやって女落としてるんだね。まぁ、私は騙されないし、勘違いもしないけど」  小さく笑ってバッグに丁寧にしまった。そんな私にフッと笑う。 「本当に可愛くねぇ。憎まれ口ばっか叩きやがって。女にプレゼントなんてほとんどしたことねぇよ」  どこか嬉しそうにシャワーを浴びに行く小久保。 (私にはプレゼントくれるんだ……) 「あれ? なに、オマエ、帰らなかったの?」  そのままベッドに座って待っていると、シャワーを浴びた小久保が浴室から出てきて軽く驚いている。 「うん。一緒に帰ってあげるよ。……ねぇ、これ、開けていい?」 「ん? あー、いいよ。言っとくけど、オマエに似合うと思って選んだわけじゃねぇから」 「え? どういう意味? あぁ、他の女にあげようと思ってたやつ横流ししたんでしょ? ……やっぱりなー。そんなことだろうと思った」  ため息まじりに言う。 「バカ、そうじゃねぇよ。オマエには似合わないと思ったけど、そーゆー……可憐で可愛いのが欲しいんだろ? 溺愛されてるような」  着替えながら照れ笑いをする小久保。
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