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 いつまでも八重田さんのこと想うのはやめろと突き付けたくなってしまった。 「いいじゃん。ここでイチャつけば? 八重田さんがそういうことするの、見てみたいしー」  わざとそんなことを言った。あっさり交わされて会はお開きになる。 「いやー、マジで今井さん幸せそうだな。今日の夜ヤバそー」  帰りに一緒に駅まで歩いているとヘラヘラと嬉しそうにまだそんなことを言っている。 「ねぇ……今日、いい?」 「ん? 今日? この後ってことか?」 「うん。お願い」  ニヤッと笑った。 「いいぜ? 付き合ってやるよ。酒が入ってそんな気になったんだろ?」  わざとらしく言う小久保といつものホテルに行く。部屋に入るなり、自分から服を脱ぎ、小久保のことも脱がせた。 「どーしたんだよ。そんなにしたかったのか?」  茶化すように聞いてくる。 「別に。いーでしょ? 今日は私がしてあげるよ……」  全部脱がせ、膝立ちになり緩く立ち上がったそこに口をつけようとした時……。 「待て。シャワー浴びてくるから。さすがにオマエにそんなことさせたくねぇよ。……一緒に浴びようぜ」  手を引いて浴室に連れて行かれる。 (そんなこと、どーだっていいのに)
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