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「は? 何言ってんの? 何でそんなことアンタに言われなきゃなんないの? 誰と何しようと私の勝手でしょ?」  思わず笑ってしまう。 「俺はちゃんと避妊するし、生でやりたいなんて思ってねぇよ。俺だけにしてピルやめろよ。そんな……生でやるために飲むもんじゃねぇだろ?」 「なんで? そういう仕事の人たちは飲んでるでしょ? なにがいけないの? それに避妊するために飲んでる人だってたくさんいるよ」 「だから! オマエの意思なのか? 男の意思だよな。ヤりたいんだったら、俺が相手するから。……頼むよ。そんな、オマエを大事にしない男と関係持つなよ」  心からの言葉に聞こえる。本当に都合のいい思い込みに自分が嫌になる。自分に対しての卑下も加わり薄く笑った。 「独り占めしたいの? 嫉妬かー。意外と可愛いとこあるよね。でもさ、アンタだけじゃ足りな——」 「違ぇよ! 嫉妬なんかじゃねぇ。オマエが……ユリのことが大事なんだよ。……マジで惚れてんだよ」  言いかけた言葉に小久保が割って入った。あまりの内容に言われた意味がよくわからない。 「は? 今、なんて言った?」 「だから! オマエに惚れてんだよ! ……ユリのことが好きなんだって……マジで」 (……本気?)
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