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「本当はもう、他の男、全部切って俺と付き合えって言いてぇよ。でも、オマエ、そんなのイヤなんだろ? 体だけの関係がいいんだよな? なら、それで我慢するから、せめて遊ぶのも俺だけにしてくれよ」 (……え……? なに……? 本当に……?) 「オマエの体が心配なんだよ。病気の検査って……妊娠って……。マジでもっと大事にしろよ。……はぁー……。こんなこと言って、切られんのは俺の方だったりしてな」  俯いて小さく苦笑いをする小久保。 「……いないよ。他の男なんて。アンタだけ。もう何年も前から」  ポツリと呟く。 「は?」 「アンタさー、八重田さんのこと好きだったんじゃないの? ずーっと。それに、アンタだっていろんなところで遊んでるんでしょ? 私に惚れてる? 何言ってんの? 笑わせないでよ」  失笑した。 「八重田のことは好きじゃねぇよ。アイツは妹みたいなもん。危なっかしくてほっとけねぇってか……他に遊んでる女なんかもいねぇし。オマエだけだよ」 「ウソ言わないでよ。アンタ、こういうの軽く楽しめるタイプなんでしょ? そんな男の言葉、どう信用すればいいわけ?」
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