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 フッと笑い——。 「最もだな……。信用されなくても仕方ねぇよ。でも、それはお互い様だろ? オマエに他の男がいないって俺もまだ信じらんねぇ。じゃーなんでピル飲んでんだよ」 「楽だから。毎月決まった日に来るしさ、軽く済むし。それに、それこそまだアンタ以外に男がいた時は保険ってか……何かあった時のため」 「なんだよ……。あー、マジでよかった。そんな無茶なことばっかやってんのかと思った」  本当にホッとしたように後ろにのけ反りそのまま仰向けになる小久保。 (なに……それ) 「別にアンタに関係ないじゃん。私が何しようと」 「言っただろ、惚れてるって。……マジだから。オマエが信じなくてもいい。……ってことは……ん? は? ちょっと待てよ? 頭、混乱してきた」 「なにが?」 「オマエの相手って俺だけってことだよな? いつから? なんで俺だけになったんだ?」  言いたくないことを次々に疑問に挙げられる。 「いーじゃん、そんな話。……今日、どーすんの? するの? しないの? ……しないなら帰ろうよ」 「……待てよ。オマエ……なんか隠してんだろ? 帰るったってもう、電車ないぞ? ゆっくり話聞かせろよ」  起き上がり、ニヤニヤと追い詰めるように楽しそうに私を見た。
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