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 ムキになって言い返すと、突然抱き寄せられ、優しくキスされた。頭を軽く抑えられ、角度を変え、何度も何度も。その優しいキスに、気持ちが伝わってくるようなキスに心が揺さぶられる。 「今日はキス、嫌がらないんだな……。あぁー……そーゆーことか……。オマエ、可愛いとこあんじゃねぇか」  フッと笑ってまたキスを繰り返す。だんだんと深くなって舌を絡ませてきた。 (ん……気持ちいい)  いつもの乱暴な噛みつくようなキスも好きだけど、今日のような優しいキスも好きかもしれない。とろけさせられるような感じがする。 「言う気になった? 俺のこと、どー思ってんのか」 「言わない。だいたいアンタ、わかってんでしょ? もーいーじゃん。しつこい」  いつの間にかベッドに寝かされ、上から覆い被さる小久保。 「聞きたいだろ? オマエの口から、オマエの気持ち」  首や耳を舐めながらそんなことを言う。そのまま徐々に胸までチュッチュッっと音を立てて移動している。 (なに? いつもと全然違うじゃん) 「ん……っ。いつも、こんなことしないじゃん。どーしたの?」
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