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「あー、楽しかった」  満足そうな村瀬。 「俺も。楽しそうにしてるユリ見てるの楽しかった」 「なにそれ。アンタ、あんまり好きじゃないのに来たの?」 「そんなことねぇよ。外で遊ぶの好きだし。でも、オマエが楽しそうにしてると、なんか楽しさが倍増するっつーか」 「そんな顔で見ないで」  照れたように視線を外した。思わずフッと笑う。 「オマエ、なんでそんなに可愛いの? 照れんなって。素直に俺に甘えろよ」 「うるさい! ほら、帰りは運転代わってあげるから」  そう言って運転席に座る村瀬。俺は助手席に座ったが……。 「なぁ! オマエ、運転荒いな」 「え? そう? 普通だけどね」 「……ちょ! ブレーキ遅ぇよ。あぶねー」 「もー、うるさいなー! 黙って寝てな!」 「怖くて寝れねぇよ」  揉めながらも、なんとか家に帰ってきた。   「あぁ、死ぬかと思った」 「レン、マジでうるさい。せっかく運転代わってあげたんだから、寝てればいいのに」 「あの運転で寝れるわけねぇだろ? でもまー、かなりよかったな。今日のデート。これからもいろんなところ、2人で行こうぜ」 「そーだね。アンタと2人も、なかなか楽しかった」  俺たちにしては珍しく仲のいい恋人同士のような1日を過ごした。
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