5638人が本棚に入れています
本棚に追加
「あー、楽しかった」
満足そうな村瀬。
「俺も。楽しそうにしてるユリ見てるの楽しかった」
「なにそれ。アンタ、あんまり好きじゃないのに来たの?」
「そんなことねぇよ。外で遊ぶの好きだし。でも、オマエが楽しそうにしてると、なんか楽しさが倍増するっつーか」
「そんな顔で見ないで」
照れたように視線を外した。思わずフッと笑う。
「オマエ、なんでそんなに可愛いの? 照れんなって。素直に俺に甘えろよ」
「うるさい! ほら、帰りは運転代わってあげるから」
そう言って運転席に座る村瀬。俺は助手席に座ったが……。
「なぁ! オマエ、運転荒いな」
「え? そう? 普通だけどね」
「……ちょ! ブレーキ遅ぇよ。あぶねー」
「もー、うるさいなー! 黙って寝てな!」
「怖くて寝れねぇよ」
揉めながらも、なんとか家に帰ってきた。
「あぁ、死ぬかと思った」
「レン、マジでうるさい。せっかく運転代わってあげたんだから、寝てればいいのに」
「あの運転で寝れるわけねぇだろ? でもまー、かなりよかったな。今日のデート。これからもいろんなところ、2人で行こうぜ」
「そーだね。アンタと2人も、なかなか楽しかった」
俺たちにしては珍しく仲のいい恋人同士のような1日を過ごした。
最初のコメントを投稿しよう!