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「ご想像通り、ビキニっすよ。最高でした」
「うわー、俺、旅行、絶対プールグループにしよう。村瀬さんのビキニ姿見たいし。凄そうだよねー。あの胸。スタイルいいよなー」
わざとらしく背もたれに背中を預け、横目で俺を見る。
「いーっすけど、俺の村瀬なんで、見るだけっすからね」
「腹立つなー。小久保くん、ホントいい子捕まえたよねー」
そんな風に言われ、悪い気はしない。
「ただいまー」
「あ、おかえり。ごめん、今から作る。アンタ定時だと間に合わないね」
「いーよ、まだ待てるから。惣菜買ってきてもいいんだからな」
「うん。わかってる。でも作ったやつのがおいしいんでしょ?」
「だなー。ユリの料理の味に慣れちゃうと、惣菜が味濃く感じるっつーか。コンビニ弁当も味気ないし……やっぱユリの料理がうまいんだよな」
お世辞じゃなく本心だ。
「なにそれ。……やめてよ」
そう言いながらも料理を始めた村瀬。
「あ、明日、料理教室行ってくるね。帰り遅くなるよ」
「わかった。また、うまいの食べられるのかー。楽しみだなー。……そういや、今週だからな、うちの実家。忘れずに準備しておいてくれよ?」
「うん、わかってる。……はぁー、気が重い。泊まるんでしょ?」
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