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終始そんな様子の村瀬を連れて実家に着いた。
「ただいまー」
「あ、れんくん」
「れんくん、おかえりー」
いつも通り可愛い甥っ子と姪っ子が出迎えてくれる。
「だれ? このひとー」
「れんくん、おんなのこと、いっしょにかえってきたよー?」
純粋な疑問を投げてくる甥っ子と姪っ子。そのままリビングにいる家族に報告しに行った。
「ユリ、とりあえず上がれ」
「あ、うん。……お邪魔します」
控えめな声で言い上がる。そこに「ワン」と茶色い犬がやってきた。
「いやー! ……いぬ、怖い」
俺の腕を掴み、後ろに隠れて怖がっている村瀬。
「は? オマエ、犬、怖いの? こんなに小さい犬が?」
「うん、怖い。……噛まれる。ぃゃ……」
小さい声で怯え、尚も俺の後ろに隠れている。
(なんだそれ。ってかやべぇ。可愛い)
か弱い女みたいに俺を頼っている姿が可愛くて仕方ない。
「大丈夫だよ。噛まないから。な? チョコ」
俺の問いかけに「ワン」と吠えるチョコ。
「いやー! ……吠えた。……こわい」
「ほら、行くぞ」
「待って。手、繋いで。……いぬ、来る」
(やべぇー、可愛すぎ)
手を繋いで……というか、腕を掴まれリビングまで向かった。
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