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「なにそれ。結局、そーゆー好きなんでしょ? 体だけなんじゃん」  少しがっかりする。やっぱり本気にしなくてよかった。 「違ぇよ。全部好きだっつーの。仕事してる時のオマエも好きだし、負けず嫌いなとこも、口悪いとこも、素直じゃないとこも、可愛くねぇとこも。全部」 (ちょっと……それ……なに。もう……) 「……やめてよ。ってか、さすがにそろそろ抜いてよ」 「あ、忘れてた」  ズルリと抜かれ、思わず締め付ける。 「っ。なに? 抜いて欲しくなかった? あとでまた挿れてやるから」  またキスしてきた。 「キス多い」 「いーだろ。もうたくさんしても……あれだろ? 気持ちが乗るから嫌だったんだよな? まぁ、体繋げてりゃ一緒の気もするけど。ヤってるとそんな気になるじゃんか、大して好きじゃなくてもさ」 「あーそっか。私のことも大して好きじゃなかったけどヤってるうちにそーゆー気になったってだけね。はいはい」  小久保の言ってることはよくわかる。体を繋げるとどうしてもそういう気になるのだ。これは仕方がないこと。 (私はあんまりそういう気にならないけど……そもそも、気持ちがないと感じないし)
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