02

46/55
前へ
/799ページ
次へ
「オマエ、本当にバカな女だな。あんなクズみたいな男に引っかかって。尽くして、捨てられて、付きまとわれて。目も当てられねぇよ」 (うわ、言うねぇー)  小久保の辛らつな言葉に、前に聞いた「妹みたいなもん」ということが思い出された。  その後、勉強会が終わると定位置で八重田さんとあの子の言い合いが始まる。今回の内容は平日ヤらないのは今井さんが気の毒だという話。 (確かに……ヤりたいときヤれないのはキツイかも)  今井さんが止めてあの子はさっさと帰る。 「今井さん、本当に守ってたんっすか? 週末だけってやつ。いや、無理っしょ。八重田、オマエ酷い女だな」 (アンタは絶対無理だろうね。まぁ私もだけど)  その後、帰ろうとした八重田さんに……。 「八重田、あの埼玉の女の子の言う通りだぞ。その週末ルールっつーか、平日ルールっつーか……この場で撤回しろ。今井さんが、あまりにも可哀想だろ」  呆れたように言葉を投げる小久保。しぶしぶ撤回する八重田さんと上機嫌になった今井さんがフロアを後にする。 「ホント世話が焼けるよな。あの2人」  薄く笑ったアイツの横顔を見てなんだか私まで口元が緩んだ。  
/799ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5609人が本棚に入れています
本棚に追加