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 別に羨ましいとかっていう感情はない。これは強がりとかじゃなくて、あんまりそこに対する感情はないのだ。  10月中旬の会議の日。新婚旅行から帰ってきた八重田さんは仕事が立て込んで忙しそう。八重田さんの休み中は私もフォローしたけど、やっぱり仕事がだいぶ溜まっていたみたい。  幸せそうな今井さんが飛鳥さんに挨拶に来て、帰り際設計を中心に写真を見て盛り上がっている。私はお昼休みに八重田さんから見せてもらったけど、それはそれは可愛い写真だった。 「いやー、八重田もまぁ綺麗だけど、今井さんもいいよな。あの白いタキシード、マジで似合ってるし。すげぇ幸せそう」  写真を見せてもらった小久保は本当に嬉しそうに自分の席に着く。 「あのピンクのドレス、八重田さんに似合ってるよね。私には無理だわ、あの色のドレス」  卑下するように笑った。 「そうか? ……あー、でも、確かにオマエは水色とか紫の方が似合いそう。黄色もなかなかよさそうだけどな」  ヘラヘラと私を見てきた。 (え……なにそれ。やめてよ。そんなこと言うの) 「勝手に想像すんのやめてよね。気持ち悪い」  可愛げなく返した私に満足そうな顔でフッと笑って仕事を続ける小久保。
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