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「八重田、オマエさ、俺が言うのもなんだけだけど、幾つだよ。年齢考えた方がいいぞ? 今井さんが何人欲しいか知らねぇけど、間に合わないかもしれないぞ?」  デリカシーのない男が余計な事を言った。 (だから、そういうのは、ほっといた方がいーんだっつーの。家族ですら触れないってよく聞くし)  大人な今井さんが話をまとめて2人はフロアを後にする。 「子供ねー。何人欲しいとかあります?」  その後なぜか、施工の男たちがそんな話をしだした。 「俺は別にないかなー」 「俺は次は男がいいかも。女の子はさー、かわいいけどパパ嫌いって言い出すじゃん?」 「小久保は? あんな事言うってことはあるんだろ? 何人欲しいとか。何人?」  その質問に私も興味が湧いて聞き耳を立てる。 「あー、俺っすか? 俺は3人以上。多ければ多いほどいーっすよね。賑やかで。俺、4人兄妹なんで、なんつーか、俺も子供たくさん欲しいなって」 (3人以上? ……以上⁉︎) 「へぇー。あ、そーなんだ。でもさ、そしたら若い子捕まえないと無理じゃねぇ? それこそ年齢的に厳しいだろう、3人以上だと」  そんな声が上がる。思わず自分の年齢を思い出した。
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