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(私、もう29だよ。3人? ……いや、何考えてんの。私、別に関係ないじゃん)  それから1ヶ月後の仕事納めの日。 「村瀬、今日どう?」 「いーよ」 「あのさー、うち来ねぇ?」 「え? 今から?」 「うん。ホテルでもいーけど」  小久保の家に誘われた。少し迷ったけど行く事にした。 「お邪魔しまーす。……汚ねぇ。片付けなよー」  ところどころ物が散乱している。ホコリがあるとかそういう汚さではないけど、散らかっていた。 「うるせぇな。これでも片付いてる方だわ」 (まぁ、仕事が忙しいから掃除してるヒマもないんだろうな。男の一人暮らしなんてこんなもんか) 「アンタ、部屋の掃除してくれるような子、捕まえたら? あー、それこそ若い子捕まえなよ。子供たくさん産んでくれるような子」  適当に物を片付けてあげながら、何気なくそう言った。 「は? 何言ってんの? そんな女いらねぇし。ってか、オマエとしか考えてねぇけど。……結婚とか子供とかも、ユリと……って思ってるけど?」 「は⁉︎ 何言ってんの? え! は? ちょっ……ちょっと待ちなよ」  あまりの言葉に激しく動揺する。 「わかってるよ! オマエにそんな気がないことは。ただ俺はそう思ってるってだけ。そんなに引くなよ」
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